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中学生の頃と言うのは、何かと噂話が飛び交う。知らないと会話について行けなくなるぐらいだ。そんな中、3年間ずっと絶えないある人の噂話があった。みんなはその人を『ジャンケンおじさん』と呼んでいた。いつも朝っぱらから高架下の通学路にいるおじさんは、口髭をはやし汗で黄ばんだヨレヨレのシャツに黒い山高帽がトレードマークのなかなかナイスな人だった。 では何故『ジャンケンおじさん』と言われる様になったのか!?理由は簡単、通りがかる学生にジャンケンをしてくるのだ。ちなみに帰りもおじさんはボケーっとガードレールに腰をかけ、また学生が通るとジャンケンを挑んでくるのであった。そんなおじさんを見て子供心に、
「仕事は何をしているんだろう…?」
とよく考えたものだ。で、そんな話をしていると、
「あのおじさんは実はFBIだ。」
とか、
「物凄い資産家で金を持て余しているから働かずにいつもあそこにいるんだ。」
と、子供が考えそうな事を言ってるとそのうちそれが本当の気がしてきた。ジャンケンおじさんはいつの間にか伝説化していた。
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