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後から先ほどの男子グループが心配そうについてきた。
男性は彼らを
「もういいから、お前ら大学に行け。」
と追い払った。
降車客が改札に向かい、人がまばらになった時、由香はやっと意識を取り戻した。
「んっ…わた…し……」
由香はゆっくりと体を起こす。
「気が付いたか、大丈夫か?」
ベンチに座る由香と向かいあう形で男性は声を掛けた。
再び由香の耳元で聞こえる男の声……。
「っ…!いやぁ……!」
由香はわけもわからず男性を拒絶し、改札へと逃げ出した。
ホームには男性とその様子を心配そうに見ていた駅員しか残っていない。
「礼もなしか……。」
そう言う男性の顔はどこか……
楽しそうだった。
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