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もちろん彼らに由香へ危害を加えようなんて気はさらさらないだろう。
友人の一人が座席に座ったから移動した、ただそれだけのことだ。
しかし由香にとって、それは苦痛でしかなかった。
何故なら彼女は……
軽度の男性恐怖症を抱えていたからだ…。
結局由香はその場から逃れることも出来ず、ただただ俯いて降りる駅が来るのを待つしかなかった。
(大丈夫…あと二駅だもん…下を向いてればなんとかなる…)
その間も彼らはしゃべり続ける。
笑い声が由香の周りをこだまする……。
段々自分の息が上がってきていることに由香は気が付いた。
大学の前の駅に到着する…あと一駅だ。
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