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そこからは、自分が何を考えていたのか、記憶があまりない。
我に返ったのは、旦那が帰ってきて玄関を閉める音が聞こえたとき。
その時私は、台所のテーブルの前に座り、目の前にはコップに入った水と、薬の空箱、そして沢山の白い錠剤。
風邪薬・鼻炎薬・頭痛薬・精神安定剤・睡眠導入剤
家に置いてある全ての薬が目の前にあって、何錠か握り締めていた。
リビングに入った旦那はバラバラになったプリ帳に気付いて
『何これ…。』
って呟いていた。
そして台所にいる私の所に来て、私の事を見るなり思いっきりビンタしてきた。
プリ帳を見つけてからずっと放心状態で涙も出なかったケド、そのビンタで悔しさからか、自分がしようとした事に対する情けなさからか、涙が溢れて止まらなかった。
そして旦那はテーブルを挟んで私の向かいに座り、お説教。
何を言われたか、はっきりとは覚えていないケド
『母親が自殺なんてしたら残された子供たちが可哀想だ!!
その事でもしかしたらイジメに遭うかもしれない!!
もし本当に死にたいなら離婚して子供を俺に預けてから一人でしろ!!』
みたいな事だった。
でも旦那の右手には開かれた携帯。
そしてメールを打つ指の動き。
説教されたときは嬉しさもあったケド、こんな時でも他の女にメールを打つ事を辞めないなんて、本当バカ………って、後から冷静になったときに思った。
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