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春の手
大きな傷痕を
残した心なら
今でも
君の顔で
しっかりと
埋め尽くされてる
出来るだけ穏やかに
あしたを迎えたい
あの日を
境にして
臆病になっていった
寒い冬を
飛び越えられたらいいのにな
そんな弱腰な僕の手にも
春は
降るかなぁ…
たぶん
そういうことにして
僕は生きる
淋しいことだとしても
そういうふうにして
生きていたい
君を愛したように
君と過ごしたように
ここは笑いながら
通りすぎてしまえ…
大きな坂道を
避けずに登ってゆく
誰かの手も借りずに
着実に駈けてゆく
怖がらず登ってゆく
狼狽(うろた)えず駈けてゆく
春の手に触れるために
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