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『ちょっと遅いよー?来ないかと思ったじゃん。』
瀬戸は校門近くの木陰でケータイをいじりながら待っていた。
『・・・・・・・』
・・・・来たくなんかなかったっつーの。
バカだな、俺も
すっぽかせばいいのに
強引でも事実上、約束したから来た。
こーいう時、典型的A型のクソ真面目な部分が出てしまう自分がすげームカつく。
『ねえ、早く行こ♪』
とりあえず俺は瀬戸から少し距離を置いて、並んで歩き始めた。
瀬戸は姉貴より少し小さい。姉貴は身長165センチくらいだから、瀬戸はだいたい160くらいか。
なんとなくそんな事を考えて歩いていた。
『あたし今日ねー、数学の補修受けて来たんだー。
暑いのにもーマジやってらんないしー。夏に補修なんかやらせてどーすんのってカンジだよね?』
長い髪を時々指に絡ませながら、瀬戸はタルイ口調で話す。
『それは赤点取ったお前が悪い』
と言ってやりたいけど、俺は特に何も言わなかった。
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