それぞれの思惑

10/14
前へ
/582ページ
次へ
あ・・・・ちょっと遅くなっちゃった。 ケータイの時計を見ると7時半を過ぎていた。 奈緒子がカラオケ行こうなんて言うから。 でも今日はお母さん居るから夕飯作らなくて大丈夫なんだよね。 『ただい・・・・・』 玄関のドアを開けるといきなり薫がいた。 『うわっ!ただいま!』 『・・・・おかえり』 一気に頭ん中にあの時の記憶が駆け巡った。 うわ、ヤバイ・・・・ とっさに視線を違う方へ向けた。 『ねえ、お母さんは?』 『いるけど』 『か、薫はどっか行くの?』 『え?コンビニ』 『そっか』 『うん・・・・・』 ―・・・・・・・・・・・・・ ぎこちない会話と気まずい沈黙 お互いろくに視線を合わせられなかった。
/582ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1750人が本棚に入れています
本棚に追加