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随分とあっさりした言葉を吐く黒芯に、女の子はプッと吹き出した。
「お前、変わった奴だな。
普通なら自分に都合の悪い事はもっと否定するもんだろ?」
「悪いね、『普通』って言葉は私から一番離れた位置にあるんだ」
「なんだそりゃ」
すまして言う黒芯に軽く突っ込んだ後、女の子は自分を指差した。
「そういや俺の紹介がまだだったな。
俺は『体のグーテ』、名前は……」
「キミ!」
予想していなかった方からの言葉に、二人は同時に顔の向きを変えた。
裏通りから姿を現したローズピンクの髪の、
キミと呼ばれた子と同い年位の女の子がふりふりのドレスでキミに駆け寄った。
「また審査員の人にいたずらしてきたんですか?!
あれほど言ったのに、いい加減懲りてくださいよ!」
巻き毛のポニーテールふわふわと揺らし、赤毛の女の子は困った顔でキミに注意した。
当の本人は、頭をかいた後裏通りの方向を見て、渋い顔をする。
「げ、ラキ……」
「我がいては不満か、キミ」
赤毛の女の子が来た方向からまた一人、
今度は白に灰色の斑点が混ざったような髪の、修行僧のような女の子が現れた。
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