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「我はぬしのやる嫌がらせは何の役にも立たない事、
あまり目立つ行動はするなという事を先刻言わなかったか?
それとも我の記憶違いか」
「お前の記憶違いだ。そろそろボケてきたか、病院行っとけ」
「とぼけないで下さい!」
赤毛の女の子がキミに詰め寄った所で、黒芯が会話に割り込んできた。
「へぇ、この子がキミ、向こうの子がラキって名前なのか。
ラキミ……キミラキ? ひょっとして君の名前はミラかい?」
質問された赤毛の女の子は初めて黒芯の存在に気付いた様で、
きょとんとした顔でキミに尋ねた。
「知り合いですか?」
「ついさっきな」
さりげなく要点をぼかして伝えるキミに、ラキと呼ばれた女の子はキミの方を見た。
一瞬目が緑の網状の光を発する。
「ぬしのいたずらに巻き込んだのか?
嫌がらせも大概にしろ」
「巻き込んだ?! ついに一般人まで……」
赤毛の女の子は言葉を失い、黒芯にペコペコと謝り始めた。
「ごめんなさい、すいません、どうもご迷惑お掛けしました! あの、なにかお怪我とかありませんか?」
そのあまりの謝りっぷりに、黒芯は半ば引きながら笑みを返した。
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