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「酒屋でジュース飲まれてもねえ……
ていうか、買った奴なんだけど、それ」
店主の言葉に、客のかけていた眼鏡が少しずれる。しかし、
「マスター、『BAR』と自称している店が酒屋なんて言ったらお終いですよ。
ここはあくまで上流な気分を味わう、『BAR』です」
のほほんとした笑みに、店主はただ静かに笑みを返していた……
「ところで、いつもここってこんなに繁盛してるんですか?
すごい儲かりようですねぇ」
「何言ってんだ、今週はグーテの授与式の週だろ?
お客さん、それが目当てでここに来たんじゃないのかい?」
板張りの店に集まった人を振り返る
どう見ても大人とは思えない少女の客に、店主がいぶかしげに声をかける。
その言葉に、少女は首を傾げた。
「授与式……ですか?」
「ああ、世界の要のグーテは、この町でしか正式に授与されないのさ。
違法でこっそり使ってる奴もいるけどね、
追われながら使うより正々堂々とここで授与した方が……」
そこで、店主の言葉が止まった。
少女の顔には『良く分かりませーん』というセリフがありありと書かれていたのである。
しばらく考えていた少女は、微笑んで口を開いた。
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