1.酒場の灰皿は空を飛ぶ

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「グーテにゃこいつだけじゃない、 他にも『渇きのグーテ』とか」 「色々種類があるって事ですね?」 感心したように少女が店主の言葉を受け継ぐ。 「で、そんな便利な力を授与するために、みんなこの町に来ていると。 大方年に一回とかなんでしょ」 「いや、当たりだけど。しっかし驚いたな、この世界にグーテを知らん人がいるとは……」 「店主、知ってますか? 知らない人とスムーズに話を進めるには、 何らかの質問から話題を見つけていけばいいんですよ。 例えその問いがでっち上げであったとしてもね」 現に私と店主は普通に話しているよりも 多く会話できたと思いますが? その言葉に呆気にとられた店主は、ややあって真意に気づき苦笑を漏らした。 それにほほえみ返して店内へと顔を向けた少女だったが、 ふとその目に床に這い蹲る青髪の女の子を映した。   少女よりも更に年端の行かない幼児が、 酒場の床で匍匐前進なるものをしている。 その異様な光景に、少女は視線だけをそっちへ向けた。 やがて女の子が四つんばいでたどり着いたのは一つのテーブル。 店の中央には団体の客が占領しており、真昼間から騒いでいる。
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