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「やぁっ……」
「史也」
「やだっ……先生……」
「何が嫌なんだい?」
「だって……恥ずかしいから……」
「恥ずかしい?」
先生に問われて、かくかくと首を縦に振った。
「かわいいね、史也は」
「ねぇ、ほんとにやだって」
服を脱がされて、全裸で窓に手を付かされている自分の姿を思ったら、羞恥におかしくなってしまいそうだ。
脱がされる途中で阻止出来たらよかったのだろうけど、手練手管がうまい先生に敵うわけもなく……結果として裸に剥かれてしまったわけで。ーーそれも夜景の美しい窓の前で。
「本当に嫌がっているようには思えないけど?」
先生が意地悪いことを囁く。
「ほら」
綺麗な手が(先生の手は指が長くて、本当に綺麗なんだ)背後から回って、僕のものを掴む。すっかり形を変えているものに触れられたら、「嫌」というセリフは効力をなくす。
「やっ……先生……」
拒む声に甘さが混じる。
「そう嫌、嫌言わないで。私が嫌われているのかと疑ってしまう」
先生は僕の耳たぶを甘く噛む。
「意地悪だ」
僕が先生を好きだとわかっているくせに、僕の逃げ道をなくそうとしている。でも、そんな強引な面にもひかれている。
「ああそうか」
先生は何か思いついたようだった。
「先生?」
「私が史也を拒絶できない状態にすればいい訳だ」
嬉しそうな先生の声が恐い。
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