暗黒丸

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にやあ、にゃあ! (俺を何だと思ってるんだ!俺はお前の祖父で魔界の王だぞ!) 今は猫だが… 「どうしたの暗黒丸?魚の骨は嫌いなの?」 この子は来夢、俺の孫だ。 そして、飼い主でもある。 「来夢、何かあったの?」 コイツはこの屋敷の主(あるじ)いつもお嬢様と呼ばれている。 悔しい事に孫のご主人様にあたるのだ。 詳しくは素晴らしきかなお嬢様を読んでくれ。 「それが、この子ご飯食べてくれないんですよ」 いや、だからこれご飯じゃなくて残飯だから… 「へんな虫でも食べてお腹でも壊したんじゃないの。正露丸でもまた食べさせなさい」 にゃああ!にゃあ (え!それは止めてくれ残飯でもなんでも食べるから) 仕方なく俺は魚の骨だらけの残飯を口にした。 うむ~!意外とダシが出てて美味い! 「なんだ、ちゃんと食べてるじゃない来夢は心配性なんだから」 王である俺が、残飯とは人生とは不思議なものだよ。 そもそも、俺がこの世界に来る事になったのは、あのレオンが原因だったな。
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