4人が本棚に入れています
本棚に追加
「王(あるじ)よ、毎日毎日書類に埋もれてよく飽きないなあ」
この、王を主と思っていなそうな態度の男は俺の一番の配下で友であるレオン提督。
暇になると俺の所に邪魔しに来る。
「俺が好き好んで机に噛り付いてると思っているのか!お前なぁ、暇なら手伝え!」
「俺が勝手にサインなどしたら誰が王だか判らなくなるではないか」
「この際だ、お前が王になれば良いではないか」
「またそう言う事を言う。今更ながら思うが何故、王になったんだ?」
「仕方ないだろ、俺より強いものがいなかったんだから。しかし、こんなに王が詰まらんとは思わなかったぞ」
そう言いながらも書類に目を通しサインかまたは、問題点を書き加えながら書類の山を片隅けて行く。
「そうそう、今日はそんな話しをしに来たのではなかった。
たまには息抜きに異界へ行ってみないかと誘いに来たんだった」
「異界?
あのこの世界の力が使えないあの世界か?」
そうあの世界では我々の超力が作用しないのだ。
世界その物が我々を認証してくれない為、らしい。
「そうだ!あの世界だ。この世界と違った美しい自然や生き物たちが住んでるから目の保養になるぞ」
「目の保養ねえ~…。忙しいからなぁ」
俺はそう言いながらも、心は既に異界へと飛んでいた。
映像でしか見た事のない世界、実に魅力的だ。
とりあえず、この書類の山をある程度片したらレオンと行く事にしょう。
「お!行く気になったな(笑)」
そう言いってレオンは俺の顔を見ながらニヤニヤする。
「今回はお前の顔を立てやるだけだ。それより無事に戻って来れるんだろうな」
「その点は大丈夫だ。泥船に乗ったつもりで安心してくれ」
「それを言うなら大船だろ~!」
「そんな細かい事気にするな。船は船だろう。ははは(笑)
それより、準備できたら呼んでくれ」
そう言ってレオンは笑いながら出て行った。
相変わらずアイツは良く分からん。
ようやく、仕事も一段落し、出掛ける準備を整えた俺はレオンを呼び出した。
そして、俺達は異界への扉を魔力で無理矢理こじ開け、異世界へと足を踏み入れた!
最初のコメントを投稿しよう!