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主審の声がかかった。まずは様子見だな、
とカツオは
スパンッ!
と畑中の頭上へと羽を舞い上げた。
ハイクリア→ハイクリア→クロスカット→ヘアピン→バック奥へ上げる・・・・
マニュアルプレイを続ける二人。
「どうした、スマッシュ打ってこいよ」
カツオはワザとらしく畑中のコートの中心へと羽を上げた。
畑中は容赦なくジャンピングスマッシュを打ち込む。
バシンッ!!
と、カツオの股の下を通過し、豪快に地へと叩きつける。
初速は480㎞/秒だった。
「ほぅ・・・・なかなか速いな」
スパンッ!
そしてすぐに畑中からサーブが打ち上げられる。
「だが、しかし私には及ばぬ!!」
ウオリャァァッ!!
ドガーーンッッ!!
とありえない程の爆音と共にスマッシュが放たれる。
羽は畑中のラケットを破壊し、そのままコートへと埋まってしまった。
初速は890km/秒だった。
「ック・・・」畑中は折れた自分のラケットを見て表情を硬くさせる。
「フハハハ、早くも暗雲が立ち込めたようだな」
余裕をかましだしたカツオに対抗すべく、畑中はある構えをとった。
ある時は千年の風のように優しく全てを包み込む。
ある時は業火を放つ乱れる火山のように全てを破壊する。
そんな構えだった。しかし、なぜかラケットは面の方を手に持ち、グリップの方を先にしている。
「これが、畑中流究極最大裏スタイル!《竜風》だ!!」
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