屍の味は蜜

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嫌な風が吹いている 温度は限り無く生温い   傷だらけで血腥い風 何処まで傷を上塗りするのか   何処まで貪り尽すのか   もぅ誰の声も届かない   薔薇を握潰しても もぅ血は出ない   傷まない   何も感じない 感じたくない 貴方の事を…   触れないでこれ以上   私の腐蝕を止めないで   腐り続けたい   汚れていても良いから どうか このまま眠りたい さぁ   笑が込み上げてくるの 小気味良い死とゆう   蜜の味   腐蝕の途中に垣間見る夢は   混沌としていたケド 酷く私を安心させた   生を呟く声が微かに耳に届いたケド   それは私を独りにし 激しい失望を招いた   誰か私と歩いてくれますか?   痛みのない針山を   冷ややかな炎の中を 風が吹いている   血腥い風が この血の味が 私を酷く…傷付けた
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