『消失』

20/26
36518人が本棚に入れています
本棚に追加
/313ページ
それでも、歩き回るだけの【神崎】に比べると優位にあったのはやはり【小田切】。 彼自身もそう感じている。 描かれた逃走ルートはただ一人を除いて誰にも予想し得るはずが無いのだ。 今や山道に一筋のライトが見えた時点で動くだけ。 この油断が五分後、彼にとっては急展開を見せるのだった。 しばらく後…… 【小田切】はこの時を振り返り一人呟く。 『……油断していたとは言え流石だ……。 やはりあいつがいた事が最大の誤算だった……。 今の俺じゃあ ゲームでもあいつには勝てねぇな……』 この台詞。 口にした時 彼はここでは無く 敷地外にいる……。
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!