『小田切の死』

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【漆黒館】にはこの時現在、二十名程のスタッフが従事していた。 それを清掃担当員、館内在庫管理人、客室案内係など様々な役割に振り当てる。 この辺りの担当なら平常時は特別する事も少ない。 だが、その中でも食事係や薬品調合係などは【ゴールドラッシュ】が開催されない時でも、それなりに多忙をきわめていた。 彼らを効率よく配置し束ねる存在……則ち館常駐幹部は現在三名いる。 新オーナーより、館長代行の肩書を与えられ、ここでは最高権力者である【銀仮面】 実質、全ての指揮とスタッフの管理を行っている【01】 そして最後の一人。 彼は業務に何一つも関与しない立場にいた。 極端に言えば、 館内の作業の協力など全てを最初から放棄しているのだ。 ただ…… 唯一の仕事を除いて。 それはここに訪れた相手とのギャンブルだった。 自ら望んでその立場にいる男、彼の名は……【神崎】。 【神崎】は、あの【ゴールドラッシュ】が終了した翌日から今日まで、度々行われてきた全てのギャンブルを無敗でこなしてきており 今や、その部分での館の番人となっていた。
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