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結局【神崎】は渋々といった様相で仮面を被り、やや薄暗い廊下へと体を投げ入れた。
そこは無音な上、人の話し声一つない闇の世界。
それでも、以前【相馬】を探す為に【藤堂】と訪れた時より遥かにたやすく目的の人物の前に立つ事が出来た。
体の方向を変え中を見る。
二人分の大きな影がそこにあった。
そのうちの一つが廊下に響く足音にすでに反応していたのか、スッ……と立ち上がる。
そして、
格子の向こう側に立つ仮面を被った【神崎】の方へゆっくりと顔を向けた……。
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