『敗北者』

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その時……【小田切】の体を言い知れぬ戦慄が走り抜けた! 頭の中で、小さなかけらが音を立て組み合わされていく。 (なるほど……。このままここに居ても、こいつと同じ様に【死】を待つだけだ。 今、仮面の奴を呼んでも多分こいつは放置され死ぬ事になる…。それが欲しがってるデータになるんだろう。助けるはずが無い……。 それなら…… パズルのかけらになって貰うか……) 頭で描いた作戦を十分に再確認しつつ【小田切】は【柳】に向けていた足をそのまま鉄格子の方へ転換し、歩を進めた。 そして顔を左右に振り廊下側をゆっくりと見回した。
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