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「ここから飛び降りたら楽になれるかな?」
屋上のフェンスにしがみつきながらそんな事を呟く
「いつまで続くんだろう?」
教室にいてもイジメられるだけだからいつもの様に屋上に逃げて来た
夏の屋上は暑くて、わざわざ誰かが来る心配もない
「もう少しで時間か…」
後はいつもの様に時間を潰してから教室に戻るだけのはずだったが……
「自殺でもする気か?少年」
誰かが話し掛けてきた事によって、いつも通りじゃなくなった
「誰?」
そう聞きながら後ろを振り向くと、そこには女の子が立っていた
「オレが先に質問してるんだけど……まあいいか、オレは片倉 優(かたくら ゆう)だ、お前はなんて名前?」
「君が有名な王子様か、僕は深山 真治(みやま しんじ)って言います」
「真治でいいかな?」
「好きに呼んで構いませんよ」
「よし、これからよろしくな、真治」
そう言いながら笑った彼女の笑顔はすごく綺麗だと思った
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