出会いは屋上

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「え?」 声を掛けられると思ってなかったので、思わず聞き返してしまった 「だから待てって」 「何?」 「オレの話しも聞けよ」 「……はい」 さっきの事が気まずくて、目を合わせられずに返事をかえす 「これから言うことは、あくまでもオレの考えだし、説教したい訳でもない。それを踏まえた上で、話を聞いてくれ」 「分かりました」 一体何の話しだろう? 「オレは自殺なんかするなとか、死ぬ勇気があるならなんでも出来るなんて言わないし、言うことも出来ない。」 「出来ないって、何で……」 「いいから最後まで聞けよ…………オレは死ぬより辛い事なんていくらでもあるって知ってるし、オレ自身も自殺を図ったことがある」 これがその時の傷だと言いながら、はめていたリストバンドをずらすと、そこには、斜めにはいった切り傷の跡があった 「だから、オレはあまり偉そうにお前に言える立場じゃないけど、そんなオレだから言える事もある」
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