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ルール、1。浮気先ではお風呂に入らない。
情事のにおいって意外に誤魔化せる、……と言うか気付かないもの。それに較べて石鹸のにおいは決定的。浮気しておいて外でお風呂に入る人って、信じられない。家に帰ってきてから入ったって、一緒でしょ。
他人と抱き合った身体でパートナーに触れるなんて、どうかしてる。そんな良心の持ち主は、そもそも浮気に向いてない。
シングルベッドに二人、くっつきあって布団にくるまった。
当然ごろごろ転げ回るスペースはないけど、女二人、寝相も悪くないんだから、このベッドで十分なのだ。
ヒロが私の身体で少し遊ぶ。私もそれに応える。でも最後まではいかなくていい。前戯だけでも満足の行くボディコミュニケーション。
仕事に疲れたヒロが、先に私の腕の中で寝てしまう。甘えるみたいにしてしがみついてる。
可愛い。
胸に顔をうずめているヒロの、軽いレイヤーの入ったショートヘア。さらさらの髪を、そっと撫でた。
おやすみ、ヒロ。
今日も一日お疲れ様。
二人とも暗闇は苦手。雑貨屋さんで購入した小さなランプに照らされる、オレンジ色の部屋。
ヒロの立てる小さな寝息。
暖かな体温。
遠くから聞こえてくる、車の流れる音。
ぼんやりしているうちにヒロの眠りに引きずり込まれて、私もいつの間にか意識が飛んで行く。
そんな一日の終わり。
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