62人が本棚に入れています
本棚に追加
――――そして
『終末』はやってきた
まるで雫が――溢れ落ちるように…
あれから二日が過ぎた朝
私はトモキを覗き込み声をかけた。
「おはようトモキ」
「体の調子はどう?」
トモキは呆然として二、三回辺りを見回して言った。
「…誰?」
その言葉に思考が止まった。
「…どこかで会ったことあるような気はするんだけど…」
続けて話すトモキ。
その言の葉は私の胸に突き刺さり…体も声も震えた。
「…ほんと…に
わかんない…の?」
私は声にならない、か細い声でトモキに問う。
「…わからない
君は誰で
どうして自分がここにいるのかも…」
最初のコメントを投稿しよう!