終焉へのプロローグ

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私は暫く戸惑うトモキの前で泣いた。 そして、彼の家に電話をした。 一時間もしないウチに、彼の父親が迎えに来た。 そしてトモキを後部座席に乗せ 「…では、病院へ連れて帰ります」 私は何も考えられず真っ白になっていた。 「連絡してくれてありがとう 本当は少し心配してたんですよ あなたがトモキを連れて逃げるんじゃないかと……」 私はその言葉を遮る様に 「…………く…… 早く行って下さい」 少し彼の父親は戸惑いながらも 「そうですね それではあなたもお元気で」 と言い残し、車に乗り込んだ。 トモキは私をずっと見ていた。 私もトモキをずっと見ていた。
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