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――今でもはっきり覚えている。僕が4歳の時まで遡る――
昔、僕が住んでいた家の出来事。
夜の七時ぐらいに母が近所の人達と談笑していた、僕は暇だった。ふと隣の部屋が気になった、気になってしょうがなかった。
リビングの光が射し込む決して暗くない部屋でそれは起こったのだ。
何を思ったのか僕は窓を見ていた。
すると突然、
畳の床から透けた白衣を着たお爺さんがスーっと音もなく出てきた。顔はベース型で髪は側面は白髪と黒髪が入り交じっていたが、正面は禿げていた。僕は何が起こったのかわからなかったので、口を開けてただ見上げるだけだった。
お爺さんと目が合った。お爺さんはにっこり微笑んだ。その次の瞬間に今度は足から音もなく消えていった。
その出来事を母に話したが信じてもらえなかった。
この出来事が事の始まりだったのかもしれない…………
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