非通知

3/7
前へ
/157ページ
次へ
「もしもし」 「今周りに人いる?」 彼は当たり前だが、常に周りを気にしていた。 「友達といたけど今は離れてるから平気だよ」 緊張で震えそうな声を押し殺してなるべく普通のトーンで話す。 「華はいくつなの?彼氏とかいるの?」 彼が私を《華》って呼んだ事にびっくりした。 「なんで私の名前知ってるの?」 「手紙に書いてあるし、いつも一緒にいる子も呼んでるし。華って彼氏いるだろ?」 「…いないよ」 ウソだった。 もう別れる間際だったが、その時私には彼氏がいたのだ。 「うそっぽいな(笑)華可愛いもんなぁ」 と彼が言った。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1033人が本棚に入れています
本棚に追加