岩の心と躯

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ゴーレムには何も無かった あるのは岩の躯 冷たい巨躯だけ 造り出された理由も 存在する意味も ゴーレムには有してなかった そこにいるのに ゴーレムの虚無感は絶大だった たった一つだけ与えられたモノがある それは“使命” それは同時に“呪縛” 『戦え……』 ただそれだけ たった一言の言葉がゴーレムを縛り付けた 目に見えない手枷と足枷と首輪を付けられて 主人に与えられた使命を遂行する 数多の国 数多の軍隊と意味も無く戦う ゴーレムが過ぎ去った跡に残るのは数多の屍のみ 意志を持たないゴーレムが止まることはなかった 一日中 休まず 晴れの日も 雨の日も 嵐の日も 雪の日も ゴーレムが行くところは戦場と化した その惨状を戦場と言えるならの話だが ゴーレムに心は無い もしあるのならそれは岩の心 何も感じないウツロナココロ
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