Keep The Lunch!―学食騒動―

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―それは、いつものお昼のこと― いつもより少し遅れて学食に走ってきたのが木乃でした。 「ああぁ―!!おじさんっ!?カレーうどんの大盛りまだ出来る」 あの先生の授業、すぐ延長するんだからと愚痴る木乃に食券カウンターのおじさんは笑顔で答えます。 「今日はかなりうどんの注文が多かったけど、ラッキーだね。丁度2玉あるから出来るよ…」 そんなこんなで出来上がったカレーうどん大盛りを盛大かつ綺麗に啜っていた時に現われたのが、今回魔の誘いに乗った男子生徒でした~――― 「思い出したでしょう?」 「うん思い出した。けどなんでそれだけでアンタに恨まれてお昼ご飯奪われなきゃいけないわけ!?」 キノは勢いで引き金を引きそうになりましたがぎりぎり踏み止まります。 「ははっ…忘れたか。ただ一歩先を越されただけなら恨みません‥――ただ“あの”一言が……」 彼はその3日前から『この日は冷やしうどん』と決めていたので、その時唯一カレーうどん大盛りを啜っていた木乃の前に座ったのです。醤油ラーメンを持って―― 「…木乃さん、だったよね。……大盛りにする位お腹空いてたんだ‥?」 「………まぁね。…あなた‥わたしが大盛りにしなかったら食べられたのに、って思ってるでしょ?」 図星で黙り込む男子生徒に木乃は続けて言い放ちます。
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