I miss you.

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「邪魔してないし!」 「来い、授業に迷惑かけるな」 「迷惑かけてないっ。『いていい』って言われたもん」 「それは水崎先生のリップ・サービスだろうが。そのくらいわかれ」 「えっ?」 …。そっか…。リップ・サービスなんだ…。ほんとの意味で、『いていい』って言ってくれたんだと思った。ていうか、 「ていうか、水崎なんだ。水沢だと思ってた。あははははっ」 「来い。おまえは2年じゃないだろうが。すみませんねぇ水崎先生」 「いえいえ、協力してくれてました。度会さんは」 「ほらー」 「いいから来い。2年に、悪影響だ」 「待って、ペン、」 由香は腕を引かれながら、グラウンドの方、つまり3年の校舎の方へ。 「もうっ、わかった!行くって!行くから離してっ!」 「大変だ大変だ」 小走りで、教務主任の安田まで現われた。 「はいはいはいはい。行こう行こう。度会さんは、3年、2組だったかな」 「キモイし!なんで2人も来るの?意味不明!」 「おまえがフラフラしてるからだろうが」 「関係ないし。ていうか、先生たち授業ないの?」 「あったらこんなところにおるわけないだろう」 「そういう度会さんは授業ないんですかー」 安田のトーク、ねちっこいから嫌い。 「もう終わった」 「うそー。まだ30分ありますが」 「ていうか、おさらいが、」 由香はまた、ゆらりと水崎のクラスの方へ。 「おまえはそっちじゃない!」 「3年じゃなかった?度会さんは」 「今からおさらいするのっ。ちょっと、水沢!なにか言って!ねぇ」 「水崎です」 「そっか、あはっ。ごめん。はい、ペン」 由香はにっこり笑うと、くるりと背中を向けて、もう今度はまっすぐ、素直に3年の校舎へ。 「すみませんね水崎先生」 「いえいえ、ちゃんと、そこそこいい先輩でしたよ。ねぇみんな」 そんな水崎のセリフが、微かに由香の耳にも届いた。由香は隣りの校舎に入る前、最後にもう一度だけ、水崎がいるクラスの窓に振り向いた。水崎はもう窓のところにはいなかったけれど、由香はなんだか気持ち、少しだけ、小さく窓へと笑顔を飛ばした。 ていうか、“そこそこ”ってなに?キモイし。 .
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