5人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
「なんでダメなん先生」
そりゃあ、あんたらがめちゃめちゃなヒント言うからに決まってんじゃん。
「だって、たまに、めちゃめちゃなヒント言うヤツがいるやん?例えば、『3番は、なになに秀吉!』、とか」
トヨトミ?
「豊臣!」
「楽勝」
「『4番は、ニューヨークがある国!』とか」
アメリカ。
「アメリカ!」
「そういうヒントは、ダメ」
「そういう、簡単すぎるヒント以外ならいいん先生」
「作れたらいいよ?“ほどよく、難しいヒント”が」
見えた!あー、アイツかぁ。水沢。見た目フツーなのに、けっこう、おもしろいヤツなんだね。
「堤さん、最近オススメの歌は、なにかありますか」
はぁ?
「なんなん先生その質問」
「湘南乃風ー」
「絢香」
「大塚愛」
「大塚愛ウザすぎ」
「えーっ!めちゃめちゃかわいいやん!」
「はーぁ?ブサイク!」
「なんで超かわいいって」
「嫌だキモイ」
「岡田趣味悪すぎ」
「私好き」
うん。私的には微妙。
「おまえら、ワーワーするなって言ったやろ。ちゃんとやれ。できてるんか?いい?もう一回言うぞ?“しゃべってもいいけど、ワーワーなるな”」
ホント、今年の2年、アタマ悪すぎ。
「堤さんはー、スラスラできてるからー、『オススメの歌は?』」
「YUIの『CHE.R.R.Y』が好きです」
「あー、あれいいよね。俺も好き」
なんなのコイツ。
「聴くんですか先生?」
「俺は、“いいなー”って思ったら、なんでも聴くよ?」
「じゃあ、先生のオススメはなんですか?」
うん。私も知りたい。
「うーん…。みんなが聴いてもイケそうなのは…」
うん。一応、中学生だからね。私たち。
「JUDY AND MARYって知ってる?」
誰よそれ。
「それ、誰ですか?」
「あー、やっぱり、みんなはもう、ギリギリ知らない世代かぁ」
「いいんですか?」
「めちゃめちゃいいねぇ」
「外人ですか?」
「いや?日本日本。4人組で、1人、ボーカルが女で」
あー…。なんか、知ってる…。えっと、誰だっけ。えーっと…。待って?思い出した!
由香は思わず、窓の外から、
「YUKI?」
.
最初のコメントを投稿しよう!