I miss you.

7/114

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
「なんでダメなん先生」 そりゃあ、あんたらがめちゃめちゃなヒント言うからに決まってんじゃん。 「だって、たまに、めちゃめちゃなヒント言うヤツがいるやん?例えば、『3番は、なになに秀吉!』、とか」 トヨトミ? 「豊臣!」 「楽勝」 「『4番は、ニューヨークがある国!』とか」 アメリカ。 「アメリカ!」 「そういうヒントは、ダメ」 「そういう、簡単すぎるヒント以外ならいいん先生」 「作れたらいいよ?“ほどよく、難しいヒント”が」 見えた!あー、アイツかぁ。水沢。見た目フツーなのに、けっこう、おもしろいヤツなんだね。 「堤さん、最近オススメの歌は、なにかありますか」 はぁ? 「なんなん先生その質問」 「湘南乃風ー」 「絢香」 「大塚愛」 「大塚愛ウザすぎ」 「えーっ!めちゃめちゃかわいいやん!」 「はーぁ?ブサイク!」 「なんで超かわいいって」 「嫌だキモイ」 「岡田趣味悪すぎ」 「私好き」 うん。私的には微妙。 「おまえら、ワーワーするなって言ったやろ。ちゃんとやれ。できてるんか?いい?もう一回言うぞ?“しゃべってもいいけど、ワーワーなるな”」 ホント、今年の2年、アタマ悪すぎ。 「堤さんはー、スラスラできてるからー、『オススメの歌は?』」 「YUIの『CHE.R.R.Y』が好きです」 「あー、あれいいよね。俺も好き」 なんなのコイツ。 「聴くんですか先生?」 「俺は、“いいなー”って思ったら、なんでも聴くよ?」 「じゃあ、先生のオススメはなんですか?」 うん。私も知りたい。 「うーん…。みんなが聴いてもイケそうなのは…」 うん。一応、中学生だからね。私たち。 「JUDY AND MARYって知ってる?」 誰よそれ。 「それ、誰ですか?」 「あー、やっぱり、みんなはもう、ギリギリ知らない世代かぁ」 「いいんですか?」 「めちゃめちゃいいねぇ」 「外人ですか?」 「いや?日本日本。4人組で、1人、ボーカルが女で」 あー…。なんか、知ってる…。えっと、誰だっけ。えーっと…。待って?思い出した! 由香は思わず、窓の外から、 「YUKI?」 .
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加