夕暮れイロのほっぺた

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 山盛りになる土をボケっとみていたミカは、ヨウの突然の意味不明な言葉にむせた。  「……はっ……?」 「だから、このスコップはね世界の裏側に行ける凄いものなんだよ」    なんですか?  その小学生……いや幼稚園児にもバカにされそうな話。   「今日、帰り道に会った黒づくめの人がくれたんだ」  って淡々と語ってくれるから、 「よかったね」  って思わず、本気で両頬をつねってやった。  私より綺麗でなめらかな肌に余計腹が立つ。    それにしても、何でそんな怪しいものを何の躊躇いもなくもらってるんだ。  ほんと、相変わらずの変な奴である。
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