30人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、ヨウの次の言葉でミカの顔から笑いがすっと消えていく。
「ここじゃないどこかなら、違う未来があったのかな」
ヨウは真っすぐにミカをみつめる。
「………………」
思わず言葉に詰まる。
それについて、ミカは答えれない。いや、正確には答えたくない。
ここじゃないどこか?
でも、それはそういうことを意味してる。
そう、だからそこにはないのだ。
ミカは俯く。
「ヨウは別の未来が……でも違う"未来"には"今"がないのに、それでもここじゃないどこかがいいの?」
なんだか急に悲しくなって、掘り返された土を手で散らかした。
「ヨウは、私と会わない"未来"がいいの。その方が幸せだと思えるの……?」
本当はそう聞こうとしたのに、喉につっかえた。答えを聞くのが怖い。
最初のコメントを投稿しよう!