第19章 イブと誕生日…再び

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街は、また一歩、冬に近づいていた。 広瀬さんとの付き合いも、今までと特に変わらないままのデートが続いていた。 お互い距離を近づけようとも離そうともしない、不思議な距離感。 私はいつの間にかその距離感に慣れてしまい、安心感さえ覚えるようになっていた。 そんなある日、私が少し早いお昼を取って店に戻ろうとすると、店の中の様子を探っているような挙動不審の人影に気付いた。 その人影は何かを確認したらしく、店に入ろうとした。 「八代?」 「わ!た、たか子さん!?」 「な、なによ?」 八代のあまりの慌てぶりに、私まで動揺してしまった。 「あ!」 私はふと気付いた。 「ええ!?」 さらに動揺する八代。 「あんた、最近、会わないと思ってたら、私のいない時を確認して来てたのね?」 「い、いえ!そんなことは……」 どぎまぎと答える八代だったが、 「そのとおり」 店の中から佐登美が出てきて言った。 「何?佐登美は知ってたの?」 「まあね。店の前なんだから二人とも入りなさいよ。」 「そうね」 私達は店の中に入った。 私と八代は応接のソファに座った。 佐登美はレジでパソコンをいじり始めた。 二人で話しなさいという暗黙の指示だった。  
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