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街はセールに誘われた人々で賑わいながら、あっという間にクリスマスイブを迎えた。
瀬谷さんは、お昼過ぎの便で渡米することになっている。
「見送りに行かないでいいの?」
気付かないうちに態度に出ているのだろう。
佐登美が聞いてきた。
「あ、ごめん。ぼーっとしてた?」
私は聞こえなかったフリをした。
「別に……」
佐登美はそれ以上何も言わなかった。
本当はこのまま空港まで駆けつけたい衝動に駆られていた。
でも、行って、どうすればいいのか、どう言えばいいのかわからない。
どう考えても行動に移せないのはわかっていた。
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