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「たか子ちゃん、今夜は一緒に食べない?」
夕方、紀子さんが言った。
「はい。いいですよ」
「いいお店を予約してるの」
ウィンクしながら紀子さんが言った。
今日はクリスマスだ。
イブほどとはいかないが、きっとどこも予約でいっぱいのはずだ。
紀子さんは私のために予約してくれていたのだ。
また、早めに言うのは私がいつもレイチェル邸で食べてるのを知っているからだ。
「じゃあ、ちょっとすみません」
「うん」
私は店の奥に入ってマスターに今日は食事はいらないと電話した。
そうしないと、いつも遅めに食事する私のためにディナーを取っておいてくれるからだ。
きっと、今頃「予約席」の札がはずされているだろう。
確かにこんな関係って、普通じゃないと思う。
瀬谷さんが言うように親子だと思われても仕方ないかもしれない。
思い出して苦笑した。
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