第3章 いつもと違う年末

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翌日、実家には今年は帰らないと電話した。 「それは丁度良かったわ。あんたの部屋が片付いてないのよ」 母はけらけらと笑いながらそう言った。 (もう二度と帰らない!!) 心に誓う私だった…… 遠くにいるわけじゃないし、あんまり心配してないようだ。 でも、普通はもう30なんだからとか、見合いしろとか言ってくるもんじゃないのかとぶつぶつ心の中でつぶやく。 以前は、意外と厳しい両親だった。 それがいきなり変わったのは、4年前に孫ができてからだ。 しかも、兄夫婦は同居しているため、いつも孫中心の生活になってしまい、どうにかしたかった娘はどうでも良くなったという訳だ。 4才になった双子の由衣ちゃん由香ちゃんはかわいい盛りだ。 子供が苦手な私でも確かにかわいいと思う。 両親の中での私の地位が地に落ちるのは仕方ないとあきらめよう。 その分、自分の人生を親の干渉なく過ごせるのは私にとってはいいことだ。  
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