第4章 新年の始まり

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翌日、気が付くと、もうお昼だった。 夢も見ていない。 こんなに深い眠りは、本当に久しぶりだ。 カーテンを開けると眩しい光が差し込んできた。 すごくいい天気だ。 きっと、初日の出が見られたはずだ。 そう思うと、少し後悔した。 この間までは、初日の出を見ようと思ったことがなかった。 見損ねたとはいえ、これもまた一歩、進歩したということなのだろうか。 瀬谷さんは、この三が日も研究室に行っているはずだ。 佐登美は実家。 紀子さんは香港。 マスターのところも、正月はさすがにセレブな一族が挨拶にやってくる。 なにせ、元は老舗の貿易会社の社長だ。 さて、いつもの休日のようにカフェで読書でもしたいところだが、お気に入りのカフェはまだどこも開いていない。 映画も特に見たいものをやっていなかった。 ふと、広瀬さんのことを思い出したが、きっと彼の所もセレブな一族の集まりとかで忙しいだろう。 それに、彼には実家に帰ると言ってある。 今更、実は家にいましたとは言えない。 食べるものを買いに出掛けようとしたら、ドアの下に手紙があった。 さゆりさんだった。 『おせちを作りました。良かったら瀬谷さんと食べてね』と書いてある。 ドアを開けると、お重が入った紙袋が置かれていた。 お昼に食べようかと思ったが、『瀬谷さんと』と書かれていたので、開けるのは彼の帰りを待つことにして、自分のお昼ご飯を買いに出掛けた。 結局、その後は部屋で読書をして過ごした。  
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