第5章 天空のレストラン

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その後は記憶がない。 朝、目覚めると自分の部屋のベッドだった。 ちゃんとパジャマに着替えている。 (自分で着替えたのかな……?それとも……) 少し不安になりながらシャワーを浴びた。 出掛けに瀬谷さんの部屋をノックしたが、やはり彼は既に出掛けていた。 (今夜謝らなきゃ……) そう思いながらle vantに向かった。 案の定、紀子さんが私にひっつきまわって夕べのことを聞こうとする。 「素敵なお店でした」 「それで?」 「料理も美味しかったです」 「それで?」 「夜景もきれいで」 「それで?」 「お客さんです」 「それで?」 「いらっしゃいませ」 そんな紀子さんをほっといて接客する私だった。 後は逃げまくった。 しびれを切らせて「いいもん!広瀬君に聞くもん」と言う紀子さんに、冷たさを載せてにこっと微笑むとその後は私と距離を取っていた。 意外とかわいいところがある紀子さんだった。  
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