第6章 佐登美がやってきた

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佐登美は相変わらずアクティブな性格だった。 彼女は時間が空くと精油に関する書物を読んだり、そして私や紀子さんに聞きまくる。 この分じゃ、すぐに私の知識くらいは追い越されてしまうかもしれない。 元々、彼女は中学時代からクラスで1,2を争うくらい頭が良かった。 高校も大学も同じだったが、彼女にはすんなり入れたところ、私は随分努力を強いられた。 西神大学も私立としてはレベルが高い大学だった。 ただ、佐登美はレールに乗るのは嫌いなタイプだ。 彼女は就職活動をせず、いきなり世界中の風景写真を撮りに行くという暴挙に出て、しかも2年帰ってこなかった。 そして、帰ってきたと思ったら、いきなり派遣会社に登録した。 はっきり言わないが、今の彼氏はどうやらその元派遣先の上司らしい。 まだ会ったことはないが、佐登美と付き合うなんてどんな人だろうと思う。 できるオンナと付き合うのは結構ストレスではないのだろうか。 佐登美は昔から大人びていて、彼女が誰かに甘える感じを受けたことがない。 きっとあれこれ指図する方のはずだ。 私といる時もそういう感じ。 まあそのうち、その貴重な彼氏を紹介してもらおうと思う。  
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