第19章 イブと誕生日…再び

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「タクシー呼ぶから待ってて」 後ろで佐登美がそう言うのが聞こえたが、私は店を飛び出していた。 目の前にいつもと変わらない夜景が広がる。 「どうして?いつもと何も変わってないのに……」 私は坂道をふらふらと駆け下りながらつぶやいた。 あの日以来、一度も彼に会ってない。 何も話をしていない。 それなのに、あれが最後なの? そんな別れなんて酷過ぎる…… さっき思ったばかりだよ。 「大切なモノを失ってから気付きたくないのよ!」 坂を登って来る人たちと何度もぶつかった。 倒れている暇はない。 それでもとうとう避けきれずに、ぶつかって前のめりに倒れそうになった。 それを一人の男性が支えてくれた。 「大丈夫か」 「す、すみません……」 「どこに行くんだ?」 すぐ耳元で聞こえた声に聞き覚えがあった。  
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