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―――ある冬の日。
真冬なのに、少し暖かい、そんな1日。
住宅街の中の公園を数人の同年代の子供達と共に元気に走り回る一人の少年。
少年の名前は草太。
そんなほほえましい様子を愛おしそうに見つめる女性の姿があった。
しばらく走り回っていた草太が、急に公園の隅にしゃがみ込み
「ママ!」
そう言って元気よく立ち上がり、その女性のもとに駆け寄って来た。
「どうしたの?草太」
女性はこの上なく優しい声で問いかけた。
夕方ギリギリまで目一杯遊んでも遊び足りないと毎日だだをこねる草太が、公園で夢中になって遊んでいる時に自分のもとに来るのは珍しいことだった。
「はい!あげる!」
そう言って笑顔で差し出したのは――
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