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美奈子が騒がしい教室に戻ると
お決まりの生徒の声が。
「うっひょ~今日も美奈子ちゃんかわええなぁ」
「まじ美人!ピカイチだよなぁ」
もちろん美奈子はその声が聞こえていないわけではない。
―みんな買い被ってる。
本当のあたしのことなんかしらないくせに。
「み~な~。」
教室の外から美奈子を読んでいるのは学年一の美少年と言われてる男、法雲 要(ほううんかなめ)である。
美奈子と要は付き合っていた。
「要~!!」
美奈子は満面の笑みで要に近寄っていく。
「おっラボラボやねぇ」
「いいなぁ美男美女は」
お決まりの生徒の声。
「みな早く昼たべよーぜ」
「うん!」
―私の彼氏、法雲要は確かにめっちゃ美少年。
でもこいつ、顔だけ。
中身はないただのバカ。
人をいじめることでしか自分を肯定できないアホだから。
私が要と付き合ってるのはみんながうらやましがるから。それだけ。
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