心ある籠

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心ある籠

    家を出る時に   飼ってる鳥を籠から出して   気付いた   空っぽの鳥籠は   僕そのものだ   飼い鳥みたいに行きたい所に行けなかった   空虚な僕なんだ   そう思っていたら   指が細く長くなって   僕は四角くなった   部屋には鳥籠が二つだけになった   いつからかずうっと空っぽで   見向きもされなかった籠   でも入ってくれた者がいた   その鳥は言った   あなたは私を守ってあげてね   この心ある籠は   もう空っぽじゃないんです
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