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平成13年1月
僕は実家で正月を過ごし、5日には高校へ戻った。
お袋が車で送ってくれる。
家を出て、店にいる親父に挨拶をする。
『行ってきます!!』
『おぅ!行ってこい!!負けるなよ。』
忙しそうに手を動かしながら親父は見送ってくれた。
そして、また野球を中心とした生活が始まった。
皆が応援をしてくれている。もっと頑張らなきゃ。
自分に言い聞かせるのと同時に、レギュラーになったときの皆の喜ぶ顔を想像して僕は頑張った。
そして31日の朝。
目を覚めた僕は何かいつもと違う感覚を覚えた。
しかし、理由もないしただの気まぐれだと思った。
朝のランニング、朝食、掃除、朝練…。
いつもと何一つ変わりのないスケジュールをこなし、授業が始まった。
3時間目 世界史
担任は野球部の監督。
世界史だけはダラダラできない。
クラス中の野球部員が姿勢を正し先生を待っていた。
しかし、始まりのチャイムが鳴って10分経っても先生は来ない。
緊張感が切れた野球部員は自由にくつろいでいた。
30分が過ぎた頃、ガラガラっと先生が入って来た。
突然先生は僕を廊下へ呼び出した。
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