0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
電子の歌姫
あなたに触れる事は叶わない
作り物の声と
借り物の言葉で
私が紡ぐ歌は
波の中へ消えるだけ
そばにいられる
それだけで
満足していたはずなのに
あなたに触れたいと
願ってしまった
あなたのその横で
温もりを感じたいと
私が歌えるのは
あなたがくれた
優しい言葉だけ
本当に伝えたい想いは
私だけでは歌えない
ねぇ、お願い
神様、いるのなら
私に、私だけの言葉を
私に、私だけの声を
ねぇ、お願い
神様、いるのなら
私に、私だけの体を
私に、私だけの温度を
あなたに伝えたい言葉があるの
忘れられる前に
あなたに伝えさせて
プログラムでしかない
この私に
温もりを教えてくれた
言葉を与えてくれた
この命、尽きる前に
さよならを告げる前に…
ねぇ、お願い
神様、いるのなら
私に、私だけの言葉を
私に、私だけの声を
ねぇ、お願い
神様、いるのなら
私に、私だけの体を
私に、私だけの温度を
あなたに伝えたい想いがあるの
最後のわがままを
聞いてくれますか?
あなたのその手で
私の声に、触れて下さい
さよならを告げる
その前に
最初のコメントを投稿しよう!