大好きなパバとママ

3/3
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
今僕の腕の中には弟が居る。しかし、不思議なことが起きた。体温など感じるはずもないのに温かい、そして、周りの視線…確実に僕を見ている。 下界では僕は幽霊なはずなのに、天国に居たままの姿で僕はここにいる。 いろいろと考えてるうちにパパとママが目の前に来て、弟を抱き上げた。二人は涙ぐみながら何度もありがとうと言った。 僕はここに居ちゃいけないんだと思い、そそくさとその場から去ろうとしたところ、突然ママが僕の名前を呼んだのだ。 僕はつい反応してしまい止まってしまった。 何故わかったのかが不思議でならなかった。後ろから抱きしめられ、久しぶりのママの温かさに僕は涙が止まらなかった。 僕は気持ちを抑えきれず、ママに抱き着いた。産まれたときからずっとこうしていたかった。 そして、すぐにパパも僕のことに気付いてくれた。 パパとママが抱きしめてくれてる。その時だ…空から声が聞こえた。神様なのかは知らないが、「もうすぐ戻る時間だ。」と言われた。 その瞬間、二人の体温が感じられなくなり、僕は徐々に薄れていく。 パパとママの声も聞こえなくなる… それでも僕は力を振り絞って叫んだ… 「僕を産んでくれてありがとう!!」 そして、視界から消えた。 僕はちっとも悲しくなんかないよ。 だって、一夏の命ではあったけど、僕はパパとママの子供いれたんだから。 Fin
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!