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5月下旬――――…
「……まだ怒ってんの?」
「別にっ…。」
俺がそう問うと姫はそっぽを向いた。
桜が散り新学期が始まって2ヶ月が経とうとしていた。
俺は隣町の高校に入学し、姫は2年生へと進級した。
今までと変わったのはそこだけ。
でも…
その変化が大きい…。
電車で1駅のわりと近い学校に俺は通っている。
でも、姫を待たせることは多くなった。
それに最近じゃなんだかんだと忙しくて会う時間がなかった。
そんな日の事故…。
電車は1時間ほど遅れていた。
「不可抗力だって言ってんじゃん。」
俺は姫を宥めるように言う。
姫は目を吊り上げてメロンソーダを一口飲んだ。
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