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なんでかなぁ……?
たった一つのボタンだよ?
なのにさ…
こんなに
こんなに…
こんなにも欲しくて堪らない
誰かじゃなくて
あたしに取っておいて欲しかった
本当に小さなことなんだけど……
それが堪らなくて
気持ちが落ち込むんだ
了は一つ溜め息をついて苦く笑った。
ハヤテはそんな了の隣りで背伸びをして丸くなった。
了はハヤテを優しく撫でると立ち上がった。
あたしは座ったまま了を見上げると下を向いた。
了はそんなあたしの頭をポンッと叩いて、
「ちょっと待ってて?」
と言った。
だからあたしはまた了を見上げた。
そこには不器用に笑った了がいた。
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