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「なぁ……今の聞いたか?」
一瀬は浩と清孝の方を向き、訪ねた。
「…ようは、何もしなければいいんだろ?どうやら大人しくしてれば命は助かりそうだし」
「でも…本当に助かるの……」
浩が喋っていると爆発音が辺りに響き、言葉は遮られた。
慌てて教室内に居た全員が窓際に走ってくるが特に変わった様子は見られない。
「なんだ?何も変わってな……」
「違う!上だ!!」
一人が叫ぶと皆が一斉に上を向き、その視線の先には確かに黒い煙が立ち上っていくのが見えた。
そこは丁度この教室の真上……二年生の教室だった。
幸いな事に二年生は修学旅行の為教室には誰も居ないが、もしかしたらこの教室が爆発していたかも知れない……。
そう考えると全員が身震いをせずにはいられなかった。
『残念ながら…まだこれが遊びか何かだと思っている人が居たので爆発させてもらった。これで我々が本気だという事が分かっただろう?』
今の爆発とその言葉で全員が理解せざるをえなかった。
これは、間違いなく現実だと。
『尚、一階毎に我々の仲間が居るから逃げようなどとは考えない事だ。我々は銃も持っているからな。君たちを殺す事くらいなんでもない』
「っそ…!先公たちは何やってんだよ!!」
イラつきで一人が机を蹴り飛ばすが、誰もその問いに答える者は居なかった。
何故なら、放送機材は職員室にありその一つしかない。
つまり放送を自由に行えるという事は、最初の爆発で職員室に向かった教師を含め殆んどの教師が犯人に捕まっている事は容易に想像出来るからだった。
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